限界アニクラに感涙!?LOVE.EXE生存確認祭2018レポ






























2018年5月26日、埼玉県の北浦和Kyaraで開催されたイベント「元祖女性声優中心現場系原曲アニクラ~LOVE.EXE★~生存確認祭2018」(以下ではEXEと表記)。

アニクラには初参加となる当ブログの管理人が潜入取材を行ってきたのでその模様をレポートしていきたい。











LOVE.EXEとは。


https://www.loveexedd.com/

当イベントの告知ツイートや、告知ツイプラページから分かる通り、”限界”すぎるアニクラだ(”限界”がわからない人に向けて説明すると常識の限界を超えてしまったヤバい状態のこと。)

http://twipla.jp/events/305726


使われている画像には90年代後半から2000年代前半に見られるような、Flash黄金時代や現在は5ちゃんねるとなってしまった巨大掲示板サイト、2ちゃんねるにあったようなアングラな雰囲気が漂っている。

画像の多くを作っているイベント主催者のなごむ氏、DJの方々を含め、客層がまさにその時代を楽しんできた世代である…と書けば読者の方々には頷いてもらえるはずだ。

2007年頃のアニクラはまだ数少なく、都内でイベントが1晩1〜3つ程開催されていたものの声優曲は全く流れず眼中に無いような時代。

桃井はるこさん、田村ゆかりさん、堀江由衣さん、新谷良子さん等が大好きで大音量で聴いてはしゃぎたい主催のなごむ氏はアニクラが好きだけどいまいちしっくりこなかったという。一晩アニクラで過ごして高まった曲は「となりのトトロ」だけの夜もあった。

女性声優の歌う曲が流れないのはいかがなものか。そうした流れの中で自分たち声豚(女性声優オタクを指す事が多い)のオタクが、オタクのために作ったアニクライベント、EXEが誕生した。

それが9年前の出来事である。

それ以降開催され続けてきたEXEは今年、9月19日で9周年を迎える。アニクラとして非常に歴史が長いイベントなのだ。



イベント初期のフライヤー





限界すぎるアニクラの限界すぎるオタク



そうした背景があるので、参加している客層は女性声優のオタクの割合が非常に高い。


現在、こうした女性声優のライブイベントは基本的に「ヲタ芸」や「イェッタイガー」「MIX」といった行為をライブ会場で行うことはひどく嫌われる空気がある。


迷惑行為として禁止されている会場も多い。一部の会場はむしろ推奨されることもある。


しかし、基本的に「やりたい放題」なのもEXEの特色だ。(本当に駄目なときは周りの方が言ってくれる文化がある。配慮はしつつ打ち放題)

これらの行為をやりたい、打ちたい・・・という限界オタクの想いも、現場でやるのではなくEXEでやろう、という住み分けによって叶えられるのだ。

ある意味隔離施設ではあるが。

「オタクがオタクのために開くイベント」「歴史が長い」「ヲタ芸」「イェッタイガー」…これらの要素が揃って限界アニクラは完成する。














同窓会としてのEXE



追いかけている声優、推している声優が、もし活動を休止したりライブイベントを開催しなくなったら、その現場で知り合った関係はどこへ向かうのだろう。

現場で生まれたつながりというのは、現場が失われてしまったらなかなか会うきっかけが減ってしまうのも常だ。

EXEは昔の”推し”仲間と再会する同窓会のような場所としても機能している。仲間と一緒に推しの曲で盛り上がれば、当時の思い出に浸る事もできる。

EXEは歴史が長いイベントである、と上に述べたが、客の年齢層が他のアニクラと比べて非常に高いのも特徴だ。

そのため「老人ホーム」「福祉施設」と自虐ネタにしていくこともあるが、オタク同窓会も似たようなものかもしれない。


ときめきメモリアルのOP曲「もっと!モット!ときめき」や、 スレイヤーズNEXTのOP「Give a reason」 ギャラクシーエンジェルより「ギャラクシー☆ばばんがBang!」が流れるとフロアの空気は一変する。

当時を青春とともに過ごしたファンのテンションはイントロがかかった途端に急上昇。最近の曲よりもちょっと古めの曲が盛り上がるのはEXEならでは、という感じだ。






北浦和kyaraのイベントフロアの上階は食事、ドリンクも注文可能になっており、イベントフロアの様子をモニターで楽しみながら当時の話題に花を咲かせることもできる。


モニターでライブビューイング



フードが充実。揚げ物が美味しい





上階でライブビューイングしつつ、推しの曲が流れた時にはダッシュでイベントフロアに向かうという楽しみ方もできるのは面白いところ。

誰かしら推しがいるであろう曲をDJも狙ってかけているとのこと。

ライブステージにも上がることができるのだが、推し曲が流れてステージの床と同化している限界オタク、土下座オタクが常に誰かいるのは笑いどころだった。











”限界アニクラ”の本質






限界オタクばかりの限界アニクラ…という書き方をしてきたが、このイベントの本質はそこではない、と感じた。

どの限界オタクも、基本的に女性声優への愛がすごいのだ。

ここはライブイベントに行くのがほぼ前提のオタクばかりだ。

だから他のアニクラで流れないような、ライブでしか盛り上がらない曲が多く流れるが、それでも盛り上がる。

知らないと盛り上がらない曲でも盛り上がれてしまう人がここに集まっている。



そんな人々だから、アニクラよりもライブに行きたいオタクがやはり多い。

みんなお金なり時間なり何かしらの負担をかけてライブに行く。優先度としてはライブのほうが上になるだろう。



ではなぜEXEに来るのだろうか。

EXEは女性声優ライブの延長線上にあると言うこともできるけど、EXEという場所が他にないのだ。00年代から積み上げてきた歴史を持つものとして唯一の存在なのだ。

今ではEXEの代替となる場所を作ることができない。それは2018年からの歴史を積み上げることはできても、あの年代の歴史を持ちえない。

客はアニクラが好きなのではなく、EXEが好きだから来るのだ。

この日も多くのイベントが開催されていた。他のイベントとかぶっていても、それでもEXEに来る。

このイベントを好きな客が集まっているのがEXEを暖かい場所にしている要素の一つである、と感じた。



ヲタ芸とイェッタイガー打ち放題でもその根底にあるのは推しや現場への愛、そして隣の人への配慮である。

この”限界アニクラ”の底にあったのはここにいる誰かから誰かへの愛だ。この場所は愛によって支えられているのだ。







最後に締めのなごむ氏の挨拶を掲載させていただく。


なごむ氏の挨拶


「いろいろあって…みんなが応援してくれてたからやめないで済んだんですよ。 昔、アニクラ行ったのに全然声優の曲かからなくて。 
絶対声優ライブが好きな人がいるから、声優オタクの人と友達になりたい、おもいきり楽しんでもらいたいっていう気持ちが「通じ合う、その喜びを感じたい」LOVE.EXEとシンクロしているなと思ってこのイベント名にしたんですよ。

でも1回だけの単発のつもりだったし、まさか9年近く続けるとは思ってなかった。

EXEが続いたのはみんなが来てくれるから。お客さんいなかったらどうしても続かないじゃん。続いてるのはみんなが来てくれるから。

イベントに来てくれるみんなの事、考えてイベントを作ってるので…本当にいつも、いろんな交通手段を使って来てくれて。…茨城からチャリとかね。

本当に感謝してます。心からありがとう。EXEを通して私はすごく助けられてるって今回実感しました。これからもEXEはEXEでがんばります。これからも。

とにかくこの日を成功させるために頑張ってたから次はいつになるのかわからないけど、わからないことすら楽しみたい。またEXEがあったら、来てください!」





ラスト曲は”LOVE.EXE”


イベントタイトルにもなっている桃井はるこさんの曲「LOVE.EXE」。

この曲が流れるのはイベントのラストというのがお約束だ。

曲がかかる直前、会場内で有志がオレンジのケミカルライト…通称UOを一斉に配り始め、フロアとステージはオレンジ一色に溢れる。


EXEは温故知新でありたいと強く思う、と語るなごむ氏。

「温故知新」は、ふるきをたずねてあたらしきをしると訓読する。

昔の事柄をもう一度調べたり考えたりして、新しい道理や知識を見出していくことの意だ。

古い曲、年齢層高めのこの場所は、結果的に温故知新を実践する場になっていく。

SNSで簡単に繋がることができる今の時代。

喜びや気持ちを分かち合える瞬間も、一瞬で情報の波に流されてしまう。

我々が本当に求めていたものはなんだったのだろうか。便利になっていくにつれ、時代に置き去りにされていった何かだと思う。

ほんとうの意味で気持ちを分かち合い、通じ合うことができるということ。

それを信じさせてくれる仲間がいること。

ネットの海の底に沈んでいったのはそういうものかもしれない。

その大切さを実感することができるのがこのイベントだった。

我々が失くしかけている何かに、この場所はまた出会わせてくれる。


イベント会場でこの曲を聞くのは初めてだったが、会場全体でコールしてヲタ芸を打っていると、この会場の人々の想いが繋がっているその場に立ち会っていることを実感する。

「LOVE.EXE」の曲の歌詞、その曲名と同じイベント名に込められた想い…すべてが重なる瞬間に、思わず涙がこぼれそうになる。

この場所にあるものは間違いなく本物だった。









EXEの次回開催はいつになるかはまだ未定だが、近い将来、開催されると思うし、開催されてほしい。その時を心から楽しみにしている。


Twitterの公式アカウント、@loveexeddで告知が行われるはずなので、フォローしておけば問題ないはずだ。













アイキャッチとして画像お借りしました








セットリスト(一部)





































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